2023年度プログラムとして『往復書簡/Correspondance』を実施致します。
広島への原爆投下時に気象観測機のパイロットとして搭乗し、投下の指示を出したクロード・イーザリー。後に広島の人々の幻影に苦しみ、精神を病んだ彼と哲学者ギュンター・アンダースによる著作『ヒロシマわが罪と罰ー原爆パイロットの苦悩の手紙』。二人の間で交わされた往復書簡を、広島在住のアーティスト吉田真也とコンテンポラリーダンサーの中西あい、岩手萌子が共同で読み、対話を通じてパフォーマンス表現として制作することを試みます。
またニューヨーク在住のアーティスト、アリー・ツボタにもオンラインで参加いただきます。ツボタは2022年に来日し、東京や茨城、広島でリサーチを行いました。その中で広島にルーツをもつツボタは、広島市出身の詩人原民喜に着目します。自身の壮絶な被曝体験を基にした短編小説『夏の花』などを世に残した民喜と自身の間で、架空の往復書簡を交わすというプロジェクトを展開していきます。
そしてプログラムの進行とともにアメリカと日本の間で往復される対話は、随時ホームページで公開されていきます。国家や人種、言語、生者と死者、被害者や加害者といった境界を越えて交わされる ”コレスポンダンス/Correspondance” は、最終的な展覧会へと繋がっていきます。
プログラムの日程
Vol.1 WORKSHOP「ヒロシマ わが罪と罰」をよむ
クロード・イーザリーとギュンター・アンダースによる往復書簡の記録「ヒロシマわが罪と罰」を参加者で読み、意見を述べ合います。対話を踏まえ、表現へとどのように繋げていけるかなどを話します。対話の様子は写真や映像で記録され、後に編集された記事としてHP 上に掲載致します。同時に英訳され、ニューヨーク在住のアーティスト、アリー・ツボタに共有されます。
ワークショップは既に終了し、近日中にHPにて記事を掲載予定です。
場所:タメンタイギャラリー
日付:10/22(土)時間:13:00-18:00
参加者:吉田真也、中西あい、岩手萌子、山本功(議事録)、平井亨季(映像記録)
Vol.2 TALKアリー・ツボタ「原民喜との対話」
Vol.1 を受けてアーティストのアリー・ツボタに2022年に行なった日本でのリサーチや原民喜を題材とした制作についてトーク形式でお話して頂きます。ニューヨークと広島をオンラインで繋ぎ、アーティストと来場者を交えたディスカッションを行います。一般来場者は実際に会場に来て参加が可能(定員20名)のほか、オンラインZoomでの参加も可能です。
詳細はこちら
日付:11/18(土)
時間:11:00-13:00
場所:鶴見町第2三沢コーポ 104 号室「雁と鶴」
開催方法: オンライン、会場(定員20名)、両方での参加可能(参加無料)
参加者:アリー・ツボタ(オンラインビデオでの参加)、吉田真也(聞き手)、ケン安有実(通訳)、他
Vol.3 WORKSHOP「ヒロシマ わが罪と罰」を演じる
参加者同士での対話を今度はパーフォーマンス表現へと繋げていきます。「ヒロシマわが罪と罰」を読み、イーザリーやアンダースの思想や言葉にふれ、一般的に加害者と目されてきたクロード・イーザリーの体験を、広島で生きる私たちがどのように引き受け、拡張された意味での演じること、身振りとして表現可能か(またはその不可能性)を実際に身体を動かしながら考えていきます。ワークショップの様子は吉田によって映像記録されます。
日付:12月下旬を予定
場所:調整中
参加者:中西あい、岩手萌子、吉田真也
Vol.4 EXHIBITION「往復書簡/Correspondance」
これまでのワークショップやトークなどの実践を基に、成果展として「往復書簡/Correspondance」を開催します。開催期間中はトークイベントなども予定しています。
日付:2月下旬を予定
場所:(決定次第お知らせします)
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