展示概要
自らの身体的な体験を軸として、人と自然の曖昧な領域に接触するアーティスト前田耕平は、かつては川面に昇り降りするための船着場と使用され、舟運の歴史的痕跡を今も残す「雁木」に焦点をあてた、太田川の岸と岸を舟渡しする参加型プロジェクト「雁の便り」を展開します。これまで募集した「乗舟者」たちと共同し、ワークショップや対話を重ね、「誰かや何かについて考える」パフォーマンスを考えてきました。
パフォーマンス本番では、前田が筏を漕ぎながら川を遡上していき、舞台装置に見立てられた雁木から雁木へと乗舟者を舟渡ししていく過程で、それぞれが考えたパフォーマンスを実行していきます。太田川を周回するように巡ることで、詩的な営みを伝達させ、かつての舟運としての役目を終えた「雁木」にオルタナティブな価値を吹き込みながらも、現代の新たな川の物語を紡ぎます。本展では、ワークショップからパフォーマンスまでの様子をまとめたアーカイブ展として発表します。
主催:広島市立大学 企画・運営:リフレクティングヒロシマ
令和7年度大学における芸術家等育成事業〈事業名〉ひろしまアーツカレント 里山と川辺の複数種共有空間を開いて、ハイブリッドな学びの場を創発する



「雁の便り」プロジェクト 連続WSの様子
ワークショップ#1『風景と言葉の便り』 ゲスト講師:中川晶一朗
ワークショップ#2『外側と内側の便り』 ゲスト講師:倉本裕梨
ワークショップ#3『私とあなたの便り』 ゲスト講師:本坊由華子
会場案内
会場:タメンタイギャラリー鶴見町ラボ
住所:広島市中区鶴見町 9-11 第2三沢コーポ 404号室(Google Map)
会期:11月10日(月) – 11月20日(木)※休廊なし
時間:11:00 – 19:00
作家プロフィール

前田耕平(まえだ・こうへい)
1991年和歌山県生まれ。自身のルーツとなる紀伊半島での風土や体験、同郷の博物学者である南方熊楠の哲学を根幹に「自然と人の関係や距離」をテーマに活動。国内外の自然地形や生態系、文化や信仰に目を向け、フィールドワークから、写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションなどの作品を制作。近年は「高瀬川モニタリング部」や、「動物園の未来ラボ」プロジェクトなど多様な活動を行う。主な展覧会に、「紀南アートウィーク2021」(南方熊楠顕彰館、和歌山)、個展「点る山、麓の座」(青森公立大学 国際芸術センター青森)、「タイランドビエンナーレ 2023」(チェンライ)、「あわいの島」(アドベンチャーワールド、和歌山)、などがある。
Photo:Toma Yamasaki
Website: https://koheimaeda.com/
Instagram: @koheimaeda.insta
【Related Exhibitions】
展覧会に合わせて、 アートギャラリーミヤウチで前田耕平の個展を開催します。
【前田耕平|コスモレジデンス】

会期: 2025年11月15日(土)- 2026年1月25日(日)
時間: 10:00-17:00(最終入館は16:30まで)
休館日: 火・水曜日(但し12月10日は開館)、年末年始(12月30日-1月3日)
会場: アートギャラリーミヤウチ(広島県廿日市市宮内4347番地2)
観覧料: 一般 500円、学生 300円
主催: 公益財団法人みやうち芸術文化振興財団
協力: リフレクティング・ヒロシマ、高瀬川モニタリング部




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