EXHIBITIONS「山と海のあいだ」

山と海のあいだ
プログラム概要

昨年度、リフレクティング・ヒロシマは複数のアーティスト、研究者と共に、周辺の自然環境や身近な生命の循環から、広島を “ 山と海のあいだに位置する都市 ”として再考することをテーマに、フィールドワーク、ワークショップ、レクチャー、トークなどの連続プログラムを行いました。今年度は、昨年度より引き続きアーティストの前田耕平、山本志帆、吉田真也が参加し、それぞれのアーティストが同時期に、広島市に点在するギャラリーで展覧会を開催する形でプログラムを実施します。

人々が営みを始める遥か前から、悠久の時間を経て隆起し形成された中国山地。その西部に位置する冠山を源流にもつ太田川は、幾多にも分岐しながら山谷、都市の間を流れやがて瀬戸内海へと注ぎ込まれます。古代のたたら製鉄、江戸期の干拓、木材や物資の運搬、人々の生活や文明の発達は、常に山々から流れゆく川や、周辺の生態系と共にありました。3人のアーティスト前田耕平、山本志帆、吉田真也は、それぞれの手付きで、人と自然の関係性について問い直すことを試みます。

アーティストたちによる実践は、私たちを取り巻く自然環境が、単なる外に広がる風景ではなく、土着の生活や文化に深く浸透し、私たち自身を形成する重要な要素であることを教えてくれます。遠い源流から、たゆみなく都市に流れ込む川の時間や記憶、私たちの身近で日々行われている生態系の循環に想像を馳せることで、歴史が作り上げた象徴としての広島を解きほぐし、異なる複数の視座によって “ あいだの都市としての広島 ”を再発見する契機になれば幸いです。

各展覧会情報

EXHIBITIONS「山と海のあいだ」は、2025年11月10日 – 11月24日の期間中に、3人のアーティストの展覧会をそれぞれ別々の会場で実施致します。

前田耕平「雁の便り」プロジェクト アーカイブ展

広島に点在する「雁木」を起点として、アーティストの前田耕平が今年実施してきた参加型プロジェクト「雁の便り」の全体像を振り返るアーカイブ展を開催します。

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会場:タメンタイギャラリー鶴見町ラボ
住所:広島市中区鶴見町 9-11 第2三沢コーポ 404号室
会期:11月10日(月) – 11月20日(木)※休廊なし
時間:11時 – 19時

山本志帆「四角窓より、デルタの空白を望む」

日本画家の山本志帆は、太田川の河口で行われていた海苔作りの工程において、干潟に立てられた竹ひびに育った海苔を集め、漉いて乾燥させ板海苔に仕上げることから着想を得て、孟宗竹や手漉き和紙、広島市公文書所蔵の古い絵葉書を取り入れた絵画作品を発表します。

詳細をこちら
会場:Unité
住所:広島市中区基町16-17-108
会期:11月13日(木) – 11月23日(日)※休廊日 11月17日、18日、19日 

時間:12時 – 17時(最終日は14時まで)

吉田真也「デルタは夜明けを夢想する」

吉田真也は、昨年度から複数のパフォーマーや詩人と共同で、川の水面に幻影を作り出す映像プロジェクト「デルタは夜明けを夢想する」を実施してきました。本展では、プロジェクトで撮影された素材を基にした、シングルチャンネルの映像作品を発表します。

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会場:AIR Hiroshima Gallery
住所:広島市西区三篠町1丁目12-9
会期:11月15日(土) – 11月24日(月)※休廊なし

時間:11時 – 19時

【Tour Event】 自転車でめぐるギャラリーツアー

本企画をディレクションする吉田真也が各会場をご案内しながら、本企画の背景や作品について解説します。本ツアーは自転車で移動します。ご自身の自転車か、シェアサイクルをご利用ください。

集合場所:AIR Hiroshima Gallery(横川)
住所:広島市西区三篠町1丁目12-9
日時:11月16日(日)時間:13時 – 15時
参加費:1,000円(保険代を含む)
定員:5名程度

※少雨決行。現地集合・現地解散。そのほか詳細を申込フォーム、URLよりご確認の上お申し込みください
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会場案内

各会場には専用駐車場がございません。公共機関または近隣のパーキングをご利用ください。 駐車場情報について、各ギャラリーへ直接お問合せすることはご遠慮ください。

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